名古屋から韓国・釜山までは直行便の飛行機があるが、大韓航空で5万円ほどだった。LCCの場合は3.5〜4万円ほどで行けたが、直行便はないので、ソウルでの乗り継ぎが必要になる。コロナ前まで、韓国は2万円台で行けたような気がしたので、考えを巡らせた結果、福岡から行けばいいのでは?と思い、船を調べてみた。すると、2年前に新型の高速船が就航していたことを知り、乗り物好きとしてはぜひ乗らねばという使命感に駆られて、迷わずこのルートを選択する。
船は博多港国際ターミナルから出港する。福岡は空港も駅も港も全部近くて便利。駅を起点に自転車で20分で行ける距離感だ。
今回乗船するのは、JR九州高速船の「QUEEN BEETLE(クイーンビートル)」。JR九州の観光列車などを手掛けた水戸岡鋭治氏のデザイン。真っ赤な船体がかっこいい。
船は3階建てで、1階はスタンダードクラス、2階はビジネスクラス、3階は操舵室と展望デッキになっている。何より特徴的なのは、主船体とその両脇の副船体からなる構造。競技船などでみられる。見るからに早そう。
乗船の手順は飛行機と似ていて、チェックインカウンターでのチェックイン(出港の40分前締め切り)のあと、出国審査をして乗船する。手荷物の検査は釜山到着後とのことだが、飛行機ほど厳しくはない。
行きはスタンダードクラスに乗船。チケットの通常運賃は16,000円だが、事前予約の割引運賃だと8,000円で乗れる。ここに諸税や燃油サーチャージも追加して、11,000円くらいになった。スタンダードクラスといえども、飛行機のエコノミークラスとは大違いでシートは広くて柔らかいし、何よりシートベルト不要で歩き回れる。
出港は午前9時。所要時間は約3時間40分の予定。
喫煙所もある。
3階の展望デッキは外に出ることもできて、気持ちいい。遠くに本土や壱岐、対馬などが見えてくる。
速度は36ノットほど=時速67km/h前後で進む。この日の波の高さは1mほどあったが、思った以上に揺れない。立っていると足がふらつくこともあるが、座っている分にはほとんど気にならない。
出港から3時間ほどすると、釜山港に入港する。韓国の貿易の中心地ということで、巨大なキリンがずらりと並ぶ。
釜山は造船業も盛んで、造船所や修理所なども密集している。
到着後は飛行機と同じく、入国審査をしてスムーズに入国。飛行機で来れば1時間のところ、乗船時間は3時間40分。時間は長いが、開放感があるのでストレスは感じない。あっという間の船旅だった。