マニラのちょっと豊かなところ

マニラ初日はどちらからというと「貧しい」エリアを中心に観光したので、2日目のこの日は、「豊かな」エリアを見て回ることにする。まずは宿からGrabでBGC(ボニファシオ・グローバルシ・シティ)へ向かう。大手財閥のアヤラ・コーポレーションが開発を手掛けている(この一帯はどこに行ってもアヤラ系の再開発地がある)。

マカティから高架道路を下りると、騒音とは無縁の綺麗な街に到着した。このエリアはジプニーの乗り入れが禁止されているらしく、広い道路のわりに交通量が少ない。100メートルごとに1人は警備員がいるような感じで、怪しい身なりに人もまず見かけない。

猫の毛並みも良く、健康的な体をしている気がする。

あちこちにウォールアートがあり、現代アートの美術館やギャラリーもある。

歩いているのは現地の富裕層らしき人や、外国の駐在員のような人が多い。犬の散歩をする日本人の姿もちらほら見かけた。ショッピングモールや病院など、生活に必要なものはだいたい徒歩圏内で済ませられる。

BGCから南へ2kmほどの場所に、ヴェネツィアをモチーフにしたショッピングモールがある。Grabのバイクタクシーで向かった。運賃は確か70円くらい。

ショッピングモールの中央にある運河でゴンドラに乗ることもできる。運河沿いの店舗はまずまずに賑わいだったが、階を上がるにつれて空きテナントが目立ち、最上階はジャスコから転身した田舎のイオンのようだった。

とくに見どころもなかったので、再びマカティへ向かう。ここには「Greenbelt」「The Landmark」「Glorietta」「Rustan’s」「SM Makati」の5つのショッピングモールが連結した巨大ショッピングエリアがある。モールによってテナントのランクは異なり、ハイブランドから安価なナショナルブランドまで何でも揃う。

近くでお昼を食べようと思ったら、突然のスコール。折りたたみ傘でしのげないほどの雨量だったので、ショッピングモール内で軟禁状態になった。せっかくなので、Greenbelt内にあったフィリピン料理レストランへ行ってみることにした。

ここで働くスタッフの方は英語はもちろんOKで、接客もとても丁寧。そういえば、フィリピンでは英語で接客する時に、ほとんど必ず、語尾に「Sir」を付ける。丁寧すぎてこちらが恐縮してしまいそう。

注文したのは、フィリピンの定番料理「シシグ(Sisig)」(写真中央)。細かく刻んだ豚肉を唐辛子とにんにくで炒め、醤油と酢で味付けしてある。美味しくないわけがなく、濃いめの味付けでご飯がすすむ。辛さも控えめで、日本人が好きな味だった。

ほかに小さなタコの炒め物とライス、ドリンクを1杯注文。高級ショッピングモールなので高いのかなと思いきや、それでも1300円ほど。

午後の散策を開始‥と思ったら、周囲が脛あたりまで水浸しになっていて、まだ出られない。

それから1時間ほどショッピングモールで時間を潰していたら、ようやく雨が止んで、水たまりも解消されていった。滞在時間が少ないなか、思った以上に物価が安くて余っている現地通貨、約8000円分。

フィリピンは銃社会で、銃を買うのはそんなに難しくない。さすがに銃は買わないが、試し打ちができるらしいので、「Makati Central Square」というところに行ってみた。昔ながらのショッピングセンターで、薄暗い雰囲気。その怪しい店をかきわけて地下へ下りると、いかがわしいマッサージ屋が集まるフロアがある。さらに進むと、ガンショップが集まる区画に出る。

シューティングレンジがあるのは、「Armscor Shooting Ranges」というところ。店員に「銃撃てる?」と聞くと料金表を見せてくれる。45口径・50発で2,000ペソ(約5,500円)とかなりリーズナブル。

銃に鎖がついていたりすることも多い中、ここは完全に自由。警備も緩くて、心配になるレベル。お兄さんが銃の持ち方を教えてくれて、撃っているあいだは大量の写真や動画を撮ってくれる。サービス精神たっぷり。50発というと少ないようで、正直20発くらいで飽きてきた。ちなみに、小口径でもなかなかの反動があるので、軸がブレブレになる。筋トレしないと。

なんだかんだしていると日が暮れてきて、駅へ向かおうとGlotteriaを通っていると「コンドミニアムに興味ありませんか〜?」とお姉さんに話しかけられた。とくにすることもなかったので、モデルルームの内見に行くことに。こちらも、もちろんアヤラ財閥の物件。

生活に必要なものは徒歩5分で揃う環境。スタジオで約1,500万円〜、2LDK+家政婦部屋で約3,000万円〜。東京のマンション価格を考えると恐ろしく安い。周辺の物件は実質利回り5%〜7%らしく、経済成長が著しいので、キャピタルゲインもそれなり。こちらはプレビルド物件で、もし仮にメトロが通ることになったらアツい。とはいえ、完成予定の2030年のフィリピンがどうなっているのか‥メトロ計画は頓挫しているようだし、政治不安もあるので、あまり期待はできないのかな‥。

渋滞が怖いので、早めに空港へ向かう。当然自動チェックイン機があるはずもなく、とんでもなく長い列に1時間ほど並び、日をまたいで、0:40発のジェットスターで名古屋へ。弾丸旅にはちょうどよい時間設定で嬉しい。とはいえ、体力的にはキツイ‥。

実質1泊2日のフィリピン旅。雨季にささっと見て回っただけだけど、楽しい。定期的に来たくなるところだった。

旅のMEMO