そうだ、来週フィリピン行こう、で来てみたら。

3年間続いた流行り病から解放されて、ようやく行ったイタリア。やっぱり旅は楽しいなぁと帰ってきた翌日には次の旅のことを考え出す。そしてスカイスキャナーの日時おまかせ、行き先おまかせで検索すると、「マニラ往復19,000円」が飛び込んできた。フィリピンはセブ島などビーチリゾートのイメージはあるけれど、雨季のこの時期に、しかもマニラには何があるのだろうと一瞬躊躇するも、気がづいたら航空券を買っていた。出発は翌週。

今回はジェットスターのセールを使えたみたいで、諸税などが追加されて、なんだかんだで往復2万5,000円で買えた。出発は中部国際空港から、夜の20時の予定。出発前に腹ごしらえをとLCCターミナル横で夕食。プライオリティパスの提示で3,400円分の割引が受けられるので、実質食べ放題では‥?と思っていたが、空港価格なので、小グラスのビール一杯が1,200円、サラダと小さいクラムチャウダーだけでオーバーしてしまう。お会計は微妙にはみ出た分の60円。

マニラまでは約4時間のフライト。23:00に到着して、行列もなくスムーズに入国。タクシーをつかまえてマカティ地区のAirbnbへ向かい、初日は終了。翌朝、朝食を食べるところからスタート。これがフィリピンのスタンダードらしく、ガーリックライスと、甘辛い牛しぐれと、半熟の目玉焼きを食べる。400円くらい。

この時点でマニラの情報はほぼないし等しいので、朝食を食べながら情報収集をして、何となく行きたい場所の候補を集める。

朝食を終えて街歩きを始めると通勤ラッシュで大渋滞。信号はちゃんと機能しているし、みんな信号を守っていて安心する。

歩きはじめて10分ほどで小雨が降ってきたので、Grabを呼んでキアポ教会へ向かうことに。Grabは東南アジア旅行では欠かせないUberのようなアプリ。

フィリピンはキリスト教国で、信仰心の強い人が多い。この日も教会の周りはすごい人だった。どれくらいキリスト教の影響力が強いかというと、フィリピンでは一度結婚すると、離婚は認められない。どうしても離婚したい時は大金を積んで弁護士を雇い、裁判で結婚そのものが無効であったと認めさせなければいけない。離婚が禁止されている国は世界であとはバチカン市国だけ。

後で知ったのだけど、教会のあるキアポ地区は治安が悪いといわれているマニラの中でも治安が悪いらしい。治安の悪い地区に行くと明らかにヤバい空気が漂っていることが多いのだけど、キアポではそんな空気は感じず。明るい時間だったからか、観光客がほぼいないオフシーズンだからか‥でも注意するにしたことはないので、みなさんお気をつけて。

治安が何を指すのかは置いておいて、たしかに貧しそうな人が多く、歩道は路上生活者のテントで埋まっていたり、裸の子どもたちが歩いていたりはしていた。

パシッグ川を渡ると、街が綺麗になっていく。広い道路で交通量もやや少なめ。政府機関が集まるエリアだからかもしれない。

マニラにはスペイン植民地時代の建物が残っており、城壁に囲まれた一帯は「イントラムロス地区」と呼ばれている。マニラ大聖堂や市役所などはスペインの建築様式そのもの。

サンチャゴ要塞もスペイン植民地時代の重要な場所のひとつで、太平洋戦争中は大日本帝国軍の司令部も置かれていた場所。戦時中のことは何が真実かは定かではないけど、ここマニラで激しい市街戦が勃発し、多数のフィリピン人、アメリカ人、そして日本人が亡くなったという事実は知っておくべきだと思う。

イントラムロスの中は政府機関などがあり裕福な地区・・かと思いきや、マニラ大聖堂のすぐ裏のキャビルド・ストリートを見て考えを撤回。

フィリピンには170を超える言語があり、タガログ語と英語が公用語になっている。マニラでは観光客が行くような場所ではだいたい英語が通じるし、主要産業には外国企業の電話のコールセンター業務がある。宿泊予約サイトのコールセンターに電話をすると片言の日本語だったりするのは、東南アジアのこうした企業が業務を請け負っているから。公用語が英語だから、英語圏の企業は電話業務を発注しやすい。

ところが、全員が英語を話せるわけではなく、この地区の人たちの英語はカタコトだった。テクシーの運転手さんも、僕と話したい気持ちと英語が分からない気持ちの両方があるような様子だった。

マニラにはいくつか交通手段があり、地元の人がよく使うのがジプニー(Jeepny)という乗り合いバス。米軍が占領していた時代に使っていたジープ(Jeep)を改造したものらしい。街を歩いているとププッとクラクションを鳴らしながら近寄ってくるので、乗りたい場合は運転手に行き先を告げて、同じ方面であれば乗車する。

騒がしいマニラの街の中でも、広大なリサール公園の中は平和な雰囲気。入るには簡単な手荷物検査が必要(とはいってもバッグの口を開いて見せて、0.1秒ほど目視するだけのチェック)で、怪しそうな人はいない。

そういえばフィリピンではジョリビー(Jollibee)というファストフードレストランが大人気で、どこにでもある。フライドチキンとスパゲティのお店で、華僑系のフィリピン企業が運営している。国内のバーガーキングやパンダエクスプレスも傘下に入れる巨大企業。

フィリピンは財閥の影響力が強いらしく、外資企業の進出が難しいという話も聞いた。一方でショッピングモールに入るといたるところに日本食レストランがあり、吉野家、丸亀製麺、一風堂などの日系企業も進出している。

しかしメニューを見ると日本のものそのままというわけではなく、ローカライズを頑張っているのが見えておもしろい。牛丼の吉野家もアイスコーヒーが目玉商品になるとは‥。

旅のMEMO

フィリピンは外務省から渡航注意勧告が出ているので、渡航する際は十分に注意を。(2024年時点)