バレンシアの火まつり
献花パレード「Ofrenda」

スペイン三大祭り―セビージャの春祭り、サンフェルミン、そしてバレンシアの火まつり。毎年3月19日のサン・ホセの日に合わせてスペイン東部の街・バレンシアで開催されます。サン・ホセ(聖ヨセフ)は聖母マリアの夫で、大工職人でした。かつて3月に大工職人たちが木くずなどを持ち寄って焚き火をしたことが始まりで、しだいにファジャとよばれる巨大人形を作って燃やす祭りへと変化していったそうです。17日〜18日には、巨大な聖母マリア像に献花をする行列があるとの情報を得て、18日から訪れてみました。

バレンシアは、マドリード、バルセロナに次ぐスペイン第三の都市です。日本ではバレンシアオレンジやサッカーチームのバレンシアCFが有名ですね。

街の中はお祭りムード。あちこちが歩行者天国になっていて、露店が出ていたり、日本の町内会のやきそばのようなノリで巨大なパエリアを振る舞っていたりと賑やかです。

そんなバレンシアの中心部、サンタ・マリア大聖堂の横にあるレイナ広場(Plaza de la Reina)に巨大なマリア像が設置されます。最初は木の骨組みだけの寂しいものですが、花束を持った人たちが民族衣装に身を包み、17日から行列をなして献花をします。写真は19日朝のもの。献花された花を木の骨組みにまとわせていき、19日には美しい花マリア像が完成するのです。

マリア像の周りも無数の花で彩られます。

再び18日に戻ります。夜になると太鼓の音が聞こえてきました。

しばらくすると、民族衣装に身を包んだ無数の人たちが行列をなしてやってきました。ひとつひとつ違う手づくりの衣装で、5000〜10,000ユーロ(100万円前後)もするのだとか。

行列や深夜まで続き、マリア像を彩っていきます。

旅のMEMO

パレードは例年3月17日・18日の2日間にわたって開催。夕方から深夜1時頃まで地区ごとに行列がやってきます。