アルカトラズ島

サンフランシスコ市の沖わずか2.4kmのところに浮かぶ島に、脱獄不可能と言われた連邦刑務所がありました。厳重なセキュリティがあるのはもちろんのこと、それをくぐり抜けても海流の影響で泳いで岸までたどり着くのは不可能だったといいます。「ザ・ロック」「監獄島」などの別名を持っていて、そこで起こった事件の数々は映画にもなっています。そんなアルカトラズ島はいまでは観光地。野鳥の住処にもなっていて、不気味な建物とは不釣り合いな平和があります。

アルカトラズ島へはピア33からの船で行くことができます。チケットは往復の船とアルカトラズ島刑務所の見学料が含まれて30ドル。混雑することがあるので、予約しておくのがベターです。

船が出発して島に近づくにつれて不気味な空気が流れてきます。映画の中の刑務所そのまんま、といった感じ。船はかつて囚人たちが連れてこられた船着場と同じところに到着します。到着して船を降りると「ご挨拶」があります。なんとなく囚人気分。

囚人たちは刑務所に着いてすぐにシャワーを浴びせられて、囚人服に着替えます。ちなみにこのシャワー、当時としては異例の温水シャワーです。諸説ありますが、温水に慣れさせておくことで、冷たいサンフランシスコの海を泳いで脱獄することのできないようにしたのだとか。サンフランシスコの海を渡るのはそれほど過酷で、過去に脱獄を試みた囚人で成功した者はいません。射殺されたり、溺れ死んだ者もいますが、あまりに辛すぎて自ら刑務所に戻った者もいたそうです。

さて、いよいよずらりと独房が並ぶエリアへ。思っていたのと完全一致の、絵に描いたような刑務所です。ここが閉鎖になったのは50年前で、今とは違うのでしょうけど、こんなのを見ると悪いことできませんね。アルカトラズに集められたのは悪いやつ中の悪いやつがほとんどだったといいます。こんな狭いエリアで凶悪犯と生活なんて考えただけでもぞっとします。

旅のMEMO

アルカトラズ島へはサンフランシスコのピア33からの船で行くことができます。混雑することがあるので、予約しておくのがおすすめ。