水の都、ヴェネツィア。

水の都、ベネツィア。世界的に有名な観光地なので、行かないわけにはいきません。ボローニャ駅から快速列車で2時間、玄関口であるベネツィア・サンタ・ルチア駅に到着しました。駅を出ると、目の前に運河が見えます。

物価の高いベネツィア。ハイシーズンともなると安宿を見つけるのが大変です。なんとか数日前に確保できたのがボロボロのホステル。一泊27ユーロに市税3ユーロ、さらにシーツ代6ユーロという、他の街の事情を考えるととんでもない料金でした。そしてシャワーは水だけ、キッチンは故障中、オーナー不在というびっくり宿。そういえばレビューの「WORST(最悪)」評価が異常なくらい多かったっけ。うん、納得。でも安宿はここしかありませんでした。恐ろしいぞ、ベネツィア。

そんなとんでもホステルのチェックインの時、日本人らしき人の姿が見えました。声をかけてみると、やっぱり日本人。彼の名は「健太」と言いました。本当は自転車でイタリア一周するつもりだったのに、渡航一週間前に自転車を盗まれて、ローマからクロアチアやスロベニアを経由してベネツィアにやってきたそうです。もうこの時点でおもしろい臭いしかしません。

「クロアチアで何したんですか?」と聞くと、「釣り」という答えが返ってきました。

「いやーもともと釣り好きでねー。なんか釣りしたくなったんだよねー。んで、現地で竿買っちゃったー」という自由人。

ちょうどこの年20歳を迎えた僕。意気投合して話していると「ことし二十歳になったんだ!そっか!じゃあ祝い酒や!!」といって夕食をご馳走していただけることになりました。そのお言葉に甘えて、レストランでスパゲティ・ボンゴレ・ビアンコとお肉とワインをお腹いっぱい食べさせてもらいました。しあわせ。

そんな彼はベネツィアからボローニャに行くため、一緒に駅へ。ホームにつくと「あれ?ボローニャ行くときってどの列車乗ればいいの?」と一言いい、停車している列車乗車。ドアが閉まりました。あとで届いたメールには「なんか違う駅ついた」と書かれていました。最後の最後まで期待を裏切りません。素敵な出会いでした。

旅のMEMO

ヴェネツィア島内の宿は高くて設備が古いものが多い。本土のメストレ駅周辺はリーズナブルな都市型のホテルもある。