イタリア共和国バジリカータ州にある都市マテーラ。ここは世界遺産「マテーラの洞窟住居と岩窟教会公園」で知られています。街には「サッシ」と呼ばれる洞窟住居があり、新石器時代から人々が住んでいるといいます。しかし、かつては陸の孤島とも呼ばれるほど交通の便が悪く、孤立した街でした。また、イタリア最貧の街と呼ばれたこともあるほど、貧しい街でした。やがて人の姿は消え、サッシも廃墟となりましたが、文化的価値を見なおされ、再び住居や飲食店などとして活用されるようになってきています。このページでは、そんなマテーラをご紹介。
駅から案内に従って住居群へ向かうと、広場と観光案内所が見えます。その近くには住居群を一望できる展望スポットがあるのですが、突然視界が開けて飛び込んでくる景色に驚愕。正直に言うと、写真で見る限り、さほど期待はしていませんでしたが、実際に見ると感動でした。
街の中は坂だらけ。歩くのは大変ですが、街の不思議な雰囲気に吸い込まれそうになります。地図は観光案内所でもらえますが、あまりに道が入り組んでいて役にたちません。でも大丈夫。教会の塔が目印になって、よほどの方向音痴で無い限り迷いません。
街のすぐ横は人工物など一切ない、自然が広がります。この街もかつては崖。それを切り開き、掘って、住居にしたのです。重機などない古代に、岩を掘るのが過酷な作業であることは言うまでもありません。
マテーラは知名度は低い上にアクセスが良いとも言えませんが、訪れる価値はある場所でした。観光客は少なく、いろいろな意味で穴場です。
マテーラへのアクセス
マテーラへの観光の拠点は、プッリャ州の州都バーリになります。バーリへの行き方はいくつかありますが、ローマから飛行機で行くか、ナポリを経由して高速鉄道とバスで行く方法がおすすめ。バスの場合、ナポリ駅前のバスのりばから乗車。ナポリからバーリまでの所要時間は3時間、料金は20ユーロほど。
バーリに着いたら、私鉄の「Ferrovie Appulo Lucane(FAL)線」でマテーラへ向かいます。駅は、バーリ中央駅を背にして、左側奥にある黄色の建物。少しわかりにくいですが、一階が切符売場とトイレ(無料)で、二階がホームです。
有人の切符売場のほか、自動券売機もあります。タッチパネルで「マテーラ中央(Matera Centrale)」を選択。運賃は片道4.8ユーロ。
マテーラへ向けて出発し、市街を抜けるとずっとこんな風景。
1時間半ほどでマテーラに到着。停車駅のアナウンスがありますが、心配な方は「地下の駅」と覚えておけばOKです。