正直なところ、韓国の都市はソウルとプサンとチェジュくらいしか知らないし、ガイドブックを見ても、韓国人の友だちに聞いても、だいたいこの3都市しかおすすめにあがらない。でもほかに何かあるだろうと、滞在先の釜山から日帰りか1泊2日で行ける場所を探していたら、慶州が見つかった。新羅の都として栄えた場所らしいけど、新羅のことも、歴史の授業で3分聞いただけなのであまりピンと来ない。まあ、とりあえず行ってみる。
釜山からは高速列車のSRTで向かう。韓国鉄道公社KTXの子会社で、所要時間や設備はほとんど変わらず、運賃が少し安いらしい。釜山から慶州郊外の新慶州駅までは約30分・10,000ウォンほど。新慶州駅は山に囲まれた場所にあるので、乗客が3人しかいない路線バスで市街へ向かう。
バスターミナルのようなものはなく、何となく中心部らしき場所で降りる。よく分からずに中心部らしいところへ向かって歩いていると、古墳のようなものを見つけた。どうやら新羅時代の墓で、金冠塚というらしい。文字通り、身分の高い人と一緒に金冠が埋葬されているらしい。
近くには金冠塚資料館なるものがあったので入ってみる。3000ウォンくらいだった気がする。入るやいなや動画を見るように案内された。韓国語のほか、英語、中国語、日本語でも聞ける。動画の内容は金冠塚の構造や歴史‥ではなく、日本帝国軍が盗掘してめちゃくちゃにしていったという内容だった。
一応(?)、金冠塚の構造を紹介する展示もしっかりとあり、見ごたえはあった。
続いて、ファンニダンギル(皇理団ギル)に来てみた。若者に人気のエリアらしく、雑貨屋やセルフ写真館やカフェがずらっと並んでいる。3月の平日だからか人はまばら。一人旅アラサーおじさんにとって魅力的なものは見つからなかったけど、修学旅行だったらここで半日潰れる。
すこし路地を入っていくと韓屋カフェ・レストランが集まっている。美味しそうなカルビ蒸しや焼き肉のお店も何軒かあるのだけど、どこも注文は2人前かららしく、なかなか昼食にありつけない。
結局、温かい肉は断念して、ユッケのビビンバ(12,000ウォン)を食べることにした。韓国は生肉がリーズナブルに食べられていい。おしゃれカフェだから、少し割高かもしれない。
ここまでのところ、慶州の町並みは落ち着きがあっていい。スタバもコンビニも韓屋風になっている。
実は慶州は世界遺産に登録されている。公園内には古墳群があり、遺跡の発掘調査が続いている。
中心街からバスで1時間ほど東へ行くと、世界遺産・佛国寺があるというので行ってみた。建物は再建されているが、石橋は8世紀ごろの建立。
雨が降ってきたので、佛国寺前のカフェで雨宿り。どこにでもおしゃれカフェがある。
再び市街へ戻り、新羅の歴史を展示する国立博物館へ。
きっとオフシーズンだからだと思うのだけど、本当に人がいない。綺麗に整備された散策路があって、天気の良い日にピクニックをしたら最高だろうななどと思いながら散歩する。のどかでいい場所だ。
新羅時代に建てられた「月精橋」は朝鮮時代になくなったのだけど、数年前に復元された。復元といっても、何の資料も残っていなかったため、ほぼ想像らしいのだけど。
18時30分、一旦宿に戻って荷物を置いてから夕食を食べに行こうと、再びファンリダンギルのある地区を通る。飲食店がたくさんある‥のだけど、歩いている人がおらず、どの店を覗いても1人も客がいない。
19時すぎ、宿を出て再び街へ。気になっていたお店へ行ってみると「閉店です」と。仕方がないので隣の店へ行くも、やはり閉店。そこから5軒は聞いて回ったのだけど、やっぱりやってない。どうやら20時には閉まる店が多いらしい。焼き肉屋とファストフードしか見当たらず、30分ほど探し回って、ようやく優しいお母さんが切り盛りするクッパ屋に入れた。
寒い中歩き回った後に食べるクッパはうまい。慶州へ行く時の夕食はお早めに。